年賀状はがきの宛名を、ワードで差し込み印刷する方法をまとめました。
思ったよりも簡単にできました。連名や位置の微調整がなければ、クリックちょんちょんちょんで出来てしまいます。
住所の宛名差し込み印刷の方法を順番に説明します。
大まかな手順
- 毛筆フォントを探してインストール
- エクセルで住所録を作成
- ワードでエクセルの住所録を読み込み差し込み印刷
順を追って説明します。
毛筆フォントを探してインストール
無料で使える毛筆フォントがあります。そのフォントを使うとかなり味のある宛名が印刷できます。
特にこだわりがなければ既にPCにあるフォントを使っても良いです。その場合は「HG正楷書体-PRO」「HG行書体」あたりがオススメです。
手っ取り早く、良い毛筆フォントが欲しい場合は、筆ぐるめを購入すると良いです。たくさんの使えるフォントあります。しかも旧字体など特殊氏名の漢字もそろっています。筆ぐるめには無料の体験版もありますが、「体験版」という文字が印刷されてしまいます。しかし、正調祥南行書体のフォントは手にはいります。
フリーのフォントは、Googleで「毛筆 フォント」で検索すればいろいろ出てきます。
教育漢字+ひらがな+カタカナのみのサンプルフォントしかないものもあり、宛名には文字が足りないので使えません。そこで、JIS第二水準まで収録している無料のフォントを紹介します。私は「青柳隷書しも」「麗流隷書」「たぬき油性マジック」フォントが好きです。
宛名に使える無料の毛筆フォント
- 青柳疎石フォント
- 青柳衡山フォントT
- 青柳隷書しも
- 衡山毛筆フォント
- 衡山毛筆フォント行書
- 衡山毛筆フォント草書
- 英推楷書
- 英推行書
- 銀魂フォント
- りいてがき筆
- Fgwフォント集(江戸勘亭流、麗流隷書、富士ポップ)
手書き風やおもしろフォント
- たぬき油性マジック
- 国鉄っぽいフォント
- ぎゃーてーるみねっせんす
- 隼文字
- みちます
- りいポップ角
- よもぎフォント
- 瀬戸フォント
- 妹フォント
- 怨霊
- あんずもじ
- まきばフォント
- えるまー
- ふい字
- きろ字
- あずきフォント
- 切絵字
- ふぉんとうは怖い明朝体フリーフォント
- Kanji Stroke Order Font
フォントのインストール方法
- フォントをダウンロードする
- 圧縮ファイルを開く
- 拡張子が
ttf
もしくはotf
のファイルをダブルクリックして開く - 「インストール」ボタンを押す
- ダイアログが表示される
- ダイアログの表示が消えれば完了
- ☓ボタンを押して閉じる
エクセルで住所録を作成
エクセルで住所録を作ります。並び順や余計な行があっても問題ありません。差し込み文書の読み込み時に、下記の項目があれば、ワードの方で自動的に検出してくれます。下記のタイトルを1行目に記載します。
- 氏名(田中 太郎)
- 郵便番号(123-4567)
- 住所1(東京都墨田区丸子町)
- 住所2(1-23-54)
- 連名(花子)
ちなみに私は、本来の住所録としても使うため下記の項目を入力しています。
- 出(年賀状を出す人は1、喪中の人は喪中と記載)
- 来(年賀状が来たら1、喪中の人は喪中と記載)
- 分類1(大分類)
- 分類2(小分類)
- 氏名
- フリガナ
- 郵便番号
- 住所1
- 住所2
- 電話番号1
- 電話番号2
- 連名1
- 連名2(子どもの名前など)
- 連名3
- 旧姓
- 備考(引っ越したとか、メールアドレス等)
ここでちょっとした技を紹介します。
「出」の欄を全て選択すると、右下のステータス表示に1と書いた数字の合計値が表示されるので、年賀状を何枚出すか確認できます。
「フリガナ」の欄には、 =PHONETIC()
関数を書いておきます。すると氏名に入力したフリガナが自動的に入るようになります。年賀状には必要ないのですが、あいうえお順に並べ替えたいといった場合に使います。
フリガナを修正する場合、氏名のセルを選択し、リボンの「フォント」エリアの「ふりがなの編集」で修正します。
「住所1」を入力するときは、郵便番号を入力し変換すると住所になります。
私は手動でやるのが面倒なので、郵便番号を入力したら自動的に変換するようにマクロを組んでいます。
年賀状用のエクセルを準備
- 住所録作成
- 住所録をコピー
- コピーした住所録の名前を「年賀状用」などに変更
- 年賀状用住所録を開く
- 年賀状を出さない人の行を削除
- 保存
ワードでエクセルの住所録を読み込む
ワードでエクセルの住所録を読みこんで差し込み印刷用のデータを作成します。
ワードの取り込みから調整までの手順
- はがき宛名印刷ウィザードでエクセルデータを取り込み
- 余計なフィールドを削除
- 住所や宛名の配置調整
- 連名フィールド挿入
- 連名と名の位置を揃える
- 印刷時の郵便番号位置調整
- 住所や宛名の個別調整
はがき宛名印刷ウィザードでエクセルデータを取り込み
- ワードを開く
- 上部メニューの「差し込み文書」をクリック
- 差し込み文書のリボンメニューが表示される
- 「はがき印刷」をクリック
- 「はがき印刷」ダイアログ表示
- 「宛名面の作成」クリック
- 「はがき宛名印刷ウィザード」ダイアログ表示
- 「次へ」をクリック
- 「年賀/暑中見舞い」選択
- 「次へ」をクリック
- 「縦書き」もしくは、「横書き」を選択
- 「次へ」クリック
- フォントをプルダウンで選択
- 「次へ」クリック
- 「差出人情報を入力してください」を入力(差し出し人を印刷する場合のみ)
- 「次へ」をクリック
- 「他の住所録ファイルを差し込む」の「参照」をクリック
- ファイルを選択するダイアログが表示
- 右下の「全ての住所録ファイル」をクリックしプルダウンメニュー表示
- 「すべてのファイル」を選択
- 作成したエクセルを選択し、「開く」をクリック
- 「次へ」をクリック
- 「完了」をクリック
- 「テーブルの選択」ダイアログが表示
- 作成したエクセルの住所録の「シート名$」を選択し、「OK」をクリック
- 年賀はがき背景の差し込み結果が表示される
- リボンメニューの「結果のプレビュー」で青い三角ボタンを押せば次々に表示される
おそらくこのままで印刷しても良いのですが、住所が長い場合や短い場合など表示位置があまりよろしくない時があります。また、連名も印刷したい場合は、下記の手順を続けて実施します。
よくわからないという場合は、ここで印刷してしまって、連名は手書きで書くということもありかと思います。
余計なフィールドを削除
- 「結果のプレビュー」を、表示が <<姓>> <<名>> 等になるようにクリック
- 必要のない、 <<役職>> や <<会社名>> 等をクリックし背景グレーにする
- 矢印キーで背景グレー表示の先頭に持ってゆき、Deleteキーを2回押して削除
フィールド枠を操作する場合は、一旦内側をクリックして操作するのがミソです。
住所や宛名の配置微調整
- 何もフィールド名が入っていない必要の無い枠線内をクリック
- その状態で、その枠線上をクリック → カーソル点滅が消える
- Deleteキーを押してフィールド枠を削除
- 氏名と住所の枠をドラッグして位置を調整
- 宛名、住所それぞれの文字の大きさを「結果のプレビュー」で確認
- 文字の大きさを変更したいフィールド枠を選択
- メニューの「ホーム」でフォントを拡大したり縮小したりする
フィールド枠を移動すると中身も移動してしまうので、枠を左に広げた後、更に右枠を選択して元の位置に戻すといい感じになります。
連名フィールド挿入
- 姓名の枠内をクリック
- 姓名の左の余白をクリック
- リボンメニューの「差し込みフィールドの挿入」のプルダウンで、連名1を選択
- <<連名1>>が挿入される
- 姓名の下にある「様」の下をクリックし、カーソルを表示させる
- 「Enter」キーを押し改行 → 連名の下にカーソルが移る
- リボンの「ルール」のプルダウンで、「If、、、Then、、、Else(If文)」を選択
- 「Wordフィールドの挿入:IF」ダイアログが表示
- 「条件の指定」の「フィールド名」は、「連名1」を選択
- 「条件の指定」の「比較」は、「等しくない」を選択
- 「条件の指定」の「比較対象」は、空白のまま → 連名がある時という条件になる
- 「挿入する文字列」に「様」を記入
- 「OK」を押す
- 上記連名の数だけ同じことを繰り返す
- リボンメニューの「結果のプレビュー」で青い三角ボタンを押し結果を確認
連名と名は下揃えになります。上揃えや中央揃えにしたい場合は、姓と名を予めエクセルで分けて作成しておくと姓名が分割されるので上揃えにしやすいです。しかし、下揃えのほうが敬称が揃うのできれいです。
連名と名の位置が上手く合わないので調整します。姓と名のフィールドを分けて調整する方法もありますが、ちょっと面倒なので、ここでは簡易的な方法で合わせこみます。微妙にずれますが大体合わせられます。どうしても合わない場合はあとで個別に修正できるのでほっておいてOKです。一番多い形が綺麗になるように合わせます。
連名と名の位置を揃える
- 「結果のプレビュー」を、表示が <<姓>> <<名>> 等になるようにクリック
- <<連名1>>のところをクリックし、グレー背景にする
- グレー背景のところで、右クリック
- 右クリックメニューで、段落を選択
- 「インデントと行間隔」タブクリック
- 配置で、「均等割り付け」を選択
- 「OK」を押す
- 「結果のプレビュー」をクリックし、通常の宛名が見えるようにする
- 連名がある宛名を青い三角ボタンを押して表示させる
- 連名の名前の上部をクリックし、カーソルを表示
- 全角スペースや半角スペースを入れたり削除したりして文字間を調整する
- 上記連名の数だけ同じことを繰り返す
- リボンメニューの「結果のプレビュー」で青い三角ボタンを押し結果を確認
印刷時の郵便番号位置調整
- 「結果のプレビュー」で試し印刷したい宛名を選ぶ
- メニューの「アドイン」をクリック
- リボンメニューの「印刷」をクリック
- プルダウンメニューの「表示中のはがきを印刷」をクリック
- 「印刷」ダイアログが表示
- 「プリンタ名」で使用するプリンタを選択
- 「プロパティ」をクリック
- プリンターの設定画面が表示
- インクジェット用はがき印刷 宛名面など設定を行う
- 設定を閉じたら「OK」を押して試し印刷をする
- 郵便番号の位置があっていればOK
- 合っていない場合下記を実施
- リボンメニューの「レイアウト」をクリック
- 「レイアウト」ダイアログ表示
- 縦位置や横位置に、マイナスやプラス値を入れて調整
- 「印刷位置の調整値を保存する」にチェックを入れ
- 「OK」を押す
- 試し印刷を繰り返し、OKになるまで調整する
位置調整は、表示イメージと逆に反映される場合がありますので、必ず印刷して確かめることをおすすめします。 ここまでで型が作成されました。型は保存しておくことをおすすめします。
住所や宛名の個別調整
- メニューの「差し込み文書」 の「完了と差し込み」をクリック
- 「個々のドキュメントの編集」をクリックします。
- 「すべて」を選択
- 「OK」を押す
- 全ての宛名のワードができる
- 一枚一枚確認し、住所の改行を取ったり入れたり、細かな修正をする
メニューの「アドイン」の「印刷」 → 「新規文書へ差し込み」でも同様にできます。
ちょっとした技
差し込みするエクセルファイルを変更する方法
- メニューの「差し込み文書」をクリック
- 「宛先の選択」をクリック
- 「既存のリストを使用」をクリック
- 「データファイルの選択」ダイアログが表示
- 右下の「全てのデータソース」をクリックし、「すべてのファイル」を選択
- 所望のエクセルファイルを選択し、開く
後からフォントを変更する方法
- メニューの「差し込み文書」をクリック
- フォントを変えたい姓名などのフィールドを選択
- 姓名下の様以外がグレー背景になる
- メニューの「ホーム」クリック
- フォントを選択
- サイズや字間が異なるので、フィールド枠を広げたりスペース挿入等で調整する
フォントを変えたい姓名などのフィールドを選択する場合、青の四角いフィールドハンドルをクリックするとよいです。
吉野家のように、下が長い吉(つちよし)を入力する方法
- 「告」の文字を入力
- 白い長方形3つを用意
- 白い長方形の枠線を細くする
- 告の字の一画目の払いを白い長方形3つで隠す
- 枠線を無しにする