地震火災費用保険金ってなあに? 保険金の支払いはどうなるのか?
保険証がなくなってしまった場合は? など、
地震保険や、地震火災費用保険金についての疑問をQ&Aでまとめました。
記載内容については、
保険会社・保険商品によって内容が異なることがあります。
最終的には、各保険会社にご確認ください。
地震保険とは?
地震や津波、火山の噴火が原因で、住宅や家具などが壊れたり、
流失・焼失したりした場合の損害を補償する特殊な保険です。
地震保険は、火災保険に原則付帯となり、単独では契約できません。
補償額には上限があり、住宅は5000万円、家財は1000万円です。
住宅や家財の壊れ度合いによって支払われる保険金が変わります。
地震保険で補償される内容は?
地震等を原因とする建物や家財の損害を補償します。
地震が原因で、火災が発生し、家が焼けてしまった場合。
地震で建物が倒れた場合。
地震が原因で、津波が発生し、家が流された場合。
住居に使用される建物および店舗併用住宅が対象になります。
地震保険で、対象外で保障されないものは?
居住用建物に収容されている家財一式です。
また、自動車や、30万円を超える貴金属・宝石類、有価証券は、保障対象外です。
地震保険で、支払いの対象に、放射能汚染の被害は含みますか?
対象外です
火災保険では、地震による火災は補償されないのですか?
保障されません。
地震により隣家に火災が発生し、自分の家に燃え移った場合、火災保険で補償されますか?
保障されません。
火災保険とセットで地震保険に加入されていれば保障されます。
保険金はちゃんと支払われますか?
国と一体になって、ちゃんと支払ってくれます。
大地震が起きると、民間の損害保険会社だけでは負担しきれない巨額の保険金支払いが生まれます。
そのため国が支払いに大きくかかわる形で、専門の保険をつくっています。
総額で最大5.5兆円まで支払えるようになっており、地震の被害規模が大きくなるにつれて、国が支払う割合が増える仕組みです。
簡単に言うと、保険会社が、国に保険を掛けているようなものです。
渡辺会長は、地震による生保各社の業績への影響について「10年前の生保危機時に比べると今の内部留保は十分な健全性がある」と発表しています。
保険証券などを紛失しても対応してもらえますか?
対応してもらえます。
東北関東大震災の場合、協会に加盟する全47社のどこに問い合わせても、個別の契約内容を照会できる制度をつくり、 業界全体で連絡網を整えて、迅速な保険金の支払いをすると発表しています。
すぐに、保険会社に連絡しないといけませんか?
3年間の猶予があります。
保険契約の有無を確認することはできますか?
東北関東大震災の場合、生保で協力体制をとっていますので、
最寄りの生命保険会社に問い合わせれば確認できます。
照会を受けた生保が、契約先の生保に連絡し、契約内容の確認など詳細に対応してもらえます。
東北関東大震災の経済的損失はどれくらいですか?
米リスク分析モデル会社RMSは、東北関東大震災による日本の経済的損失について、
暫定試算値で最大3000億ドル(総生産の約5%相当)になると推定しました。
日本円で、約最大24兆円です。
これは、地震と津波による電力供給混乱の影響や原発トラブルの処理費用なども含まれています。
東北関東大震災に伴う保険金支払額は、どのくらいになるのですか?
保険金支払い額は?(スイス再保険の試算)
スイス再保険(スイス・リー)は、約12億ドル(約970億円)になるとの試算しました。
ただし損害が不確定な部分が多く、修正が必要になるとのことです。
スイス再保険(スイス・リー)の、2010年12月期連結決算の純利益は8億6300万ドルで、単純計算では1年分の利益が吹き飛んでしまう計算です。
保険金支払い額は?(ミュンヘン再保険の試算)
ミュンヘン再保険は、約15億ユーロ(1700億円)と試算しています。
保険金支払い額は?(ムーディーズ試算)
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、最大4000億円と試算しています。
日本で営業する生命保険会社の自己資本と、その収益力に照らせば、対処可能な水準であるとレポートしています。
地震保険に入っていないと何ももらえないのですか?
火災保険に加入していれば、地震火災費用保険金があるので、もらえます。
地震火災費用保険金とは?
地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災で建物が半焼以上、
または保険の対象の家財が全焼した場合に、保険金額の5%を支払うものです。
地震火災費用保険金は、火災保険のすべてのプランで自動的にセットされる補償です。
地震火災費用保険金と地震保険は違うのですか?
違います。
火災保険には地震火災費用保険金という補償が付帯されています。
費用保険金とは?
損害保険金以外にも火事や自然災害などによる損害から発生する費用に対して支払われるものです。
火事で建物が焼失した場合には、焼け残った残存物を撤去するする必要がありそのためには別に費用がかかります。 このように損害が発生したことによって、間接的にかかるコストを補償するものが費用保険金です。
損害保険金とは?
火災保険では、火事や自然災害による建物・家財の損失や損害に対して支払われます。
つまり損害保険金は、建物や家財など直接損害を受けたものを修復・購入等するための保険金です。
地震火災費用保険金が支払われる条件は?
地震・噴火またはこれらを原因とする津波を原因とする火災や、
建物が半焼以上、または保険目的である家財が全焼した場合に、
保険金額の5%相当額が支払われます(1事故につき1構内ごと300万円限度)。
地震火災費用保険金があれば地震保険はいらないのですか?
地震火災費用保険金は、地震等を原因とする「火災」が対象なので、
地震の発生によって直接、建物が全壊した場合などは対象外になります。
また、火災の場合でも建物で半焼以上、家財では全焼ですので、
地震を原因とする火災の被害にあっても、被害状況によっては保険金の支払い対象とならない可能性があります。
また保障も少ないです。例えば2000万円の火災保険であれば5%の保障なので、100万円になります。
地震火災費用保険金は、おまけの補償という認識です。
主な費用保険金には、他にどんなものがありますか?
臨時費用保険金
残存物取片付け費用保険金
失火見舞費用保険金
傷害費用保険金
特別費用保険金
損害防止費用
地震保険に、加入するにはどうすればいいですか?
地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットでしか加入できません。
火災保険しか入っていなくても、契約途中から地震保険に入ることができます。
地震保険の保険料は高いのですか?
住んでいる地域や住宅の造りによって違います。
例えば、鉄骨造りで1000万円まで補償する契約だと、東京都で年間約16900円です。
東北、関東大震災の被害が大きかった、宮城県は6500円、岩手県は5000円ぐらいです。
大地震が起きる危険性が高いとされたり、発生した際の被害が大きいと予想されたりする地域は保険料が高くなります。
加入者は多いのですか?
1995年の阪神大震災以降、着実に増えています。
1995年度は約520万件でしたが、2009年度の契約件数は約1200万件になり、
約2倍以上になっっています。
しかし、「保険料が割高」との声もあり、2009年度の世帯加入率は23%にとどまっています。
被災地の加入率は、宮城県が33%と全国平均を上回っていますが、
他地域では青森15%、岩手12%、福島14%など、平均を下回っています。